オフィス改装のコストはどこまで抑えられる?静岡県の支援制度まとめ

オフィスの移転や改装は、働き方改革や生産性向上を進める絶好の機会である一方、多額の初期費用が経営の負担になるケースも少なくありません。そんなときに活用したいのが、国や自治体が用意する補助金・助成金制度です。

本記事では、静岡県でオフィス移転・改装・設備投資を検討する企業向けに、これからの2026年を見据えた補助金情報を分かりやすく整理し、賢く活用するためのポイントを解説します。

※補助金・助成金制度は年度ごとに内容が見直されるため、実際の申請にあたっては最新の公募要領をご確認ください。
※本記事では補助金に関する情報提供を目的としており、弊社では補助金申請の代行サービスは行っておりません。


1. 補助金・助成金とは?

「オフィスを綺麗にしたいけれど、コストが重い……」 そんな経営者や担当者の方にとって、強力な味方となるのが補助金・助成金です。

これらは国や自治体から支給される、原則として「返済不要」の資金です。一見すると「ハードルが高そう」と思われがちですが、その仕組みとメリットを正しく理解すれば、オフィス改装の初期投資を大幅に抑え、事業の成長を加速できます。

補助金・助成金の基本

補助金・助成金は、どちらも原則として「返済不要」の資金援助ですが、性質が少し異なります。

助成金
要件を満たせば受給しやすく、雇用維持や働き方改革に関連するものが多いのが特徴です。

補助金
国や自治体の政策目標に合わせて公募され、審査(採択)を経て交付されます。事業の「新しさ」や「成長性」が評価されます。


単なる内装工事は対象外になることが多いですが、「オフィスを変えることで何を実現するか」という目的が補助金の趣旨と合致すれば、支援の対象となりえます。

生産性向上: DX導入や業務効率化のための環境整備
環境対応: ZEB化やLED導入などの省エネ改修
多様な働き方: テレワーク対応や女性活躍のための施設整備


補助金・助成金活用のメリット

補助金・助成金の活用には以下のようなメリットがあります。

初期投資を大幅に軽減
数百万円〜数千万円の投資に対し、最大1/2〜2/3といった手厚い支援を受けられます

経営課題の解決が加速
補助金をきっかけに、後回しにしていた「働き方改革」や「DX化」を一気に進めることができます

企業の信頼度アップ
厳しい審査を通過して採択された事実は、対外的な信用力の裏付けにもなります


補助金・助成金申請のポイント

補助金・助成金の活用には以下のようなポイントがあります。

「後払い」が原則
補助金は工事が終わって支払いをした後に、実績報告を経て入金されます。一時的な資金繰りの計画が必要です。

必ず採択されるわけではない
人気の補助金は倍率も高いため、説得力のある事業計画書が不可欠です。

早めの相談がカギ
公募期間は短く、書類準備も煩雑です。まずはオフィス施工の実績が豊富で、補助金にも明るい専門家やパートナー(商社等)へ相談することをおすすめします。


2. 全国で使える主要な補助金

まずチェックすべきは、国が管轄する補助金です。全国一律の条件で申請でき、自治体の制度に比べて補助金額の規模が大きいのが特徴です。単なるリフォームではなく、「新事業の開始」「生産性向上」「事業承継」といった経営の節目におけるオフィス整備が対象となります。

小規模事業者持続化補助金

「売上アップ」や「効率化」を目的とした前向きな投資を支援する、最もポピュラーな補助金です。

通常枠最大 50万円
創業・賃上げ枠最大 200万円
補助率2/3
申請対象【対象】
従業員5名〜20名以下の小規模事業者

【必須条件】
地域の商工会議所・商工会のサポートを受けること


なお、オフィス改修等で利用するには、単なる「古くなったから綺麗にする」という改装は対象外です。従業員のデスクエリアの壁紙・床の張り替えや福利厚生目的の休憩室や更衣室の改修はNG。あくまでも販路拡大がポイントになります。

・来客・成約率アップのための「商談スペース」設置
・自社商品をアピールするための「ショールーム」化
・効率化のための「商品棚・カウンター」の造作

商工会議所地区 小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>


ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

新製品・サービスの開発や、生産プロセスの劇的な改善を支援する、中規模以上の投資に適した補助金です。

通常類型最大:750万円 〜 1,250万円
(従業員数による)
補助率1/2
(小規模事業者・再生事業者は2/3)
申請対象資本金・従業員数が一定以下の「中小企業」および「小規模事業者」


単なる事務所の引越し費用や内装工事は対象外です。しかし、新事業を行うための「専用の場所」を作る費用などは、機械装置とセットで認められる場合があります。

・新製品を製造するための「専用のクリーンルーム」設置
・DX化・自動化のための「システム連動型の特殊棚・保管庫」の導入
・試作開発を行うための「ラボ(実験室)」の内装工事

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金総合サイト


事業承継・M&A補助金

事業承継(代継ぎ)やM&Aをきっかけとした、経営刷新やオフィス・店舗の改装、新事業への投資を支援する補助金です。

補助上限額通常:800万円

賃上げ実施時:最大 1,000万円
補助率1/2 〜 2/3
(小規模事業者や赤字企業などは2/3)
申請対象事業承継(経営者交代)やM&A(事業再編・統合)を行った
または、行う予定の中小企業・小規模事業者


事業を引き継いだ後、「新しい代でこれまでのイメージを一新したい」「新サービスを始めるために内装を変えたい」というニーズに適しています。

・承継を機に行う店舗・オフィスのリノベーション費用
・新たな顧客層をターゲットとしたショールームの設置
・老朽化したオフィス・工場の原状回復や解体費用(廃業・再チャレンジ枠併用時)

事業承継・M&A補助金 事務局 公式サイト


3. 静岡県ならでは!地域特有の補助金・支援制度

国レベルの補助金に加え、静岡県では独自の支援策が充実しています。 特に「県外企業のサテライトオフィス進出」や「工場の新設・老朽化対策」など、静岡の産業特性に合わせた手厚い上乗せ支援があるのが特徴です。県内での移転・拡大を検討するなら、必ず押さえておきたい制度を紹介します。

静岡県「ICT・サービス関連企業進出事業費等補助金」

県外企業が静岡県内に「新たなオフィス」を開設する際の初期費用・固定費を大幅に軽減する制度です。

補助上限額改装費:150万円
※1回限り(工事費100万円以上が条件)

賃借料(家賃):300万円/年
※最大1〜3年間

通信費 :60万円/年
※最大1〜3年間
補助率1/2
申請対象【対象業種】
情報通信業、デザイン業、コンサルタント業、広告業など

【進出条件】
静岡県外に本社を置く企業が、新たに県内に事業所を設置すること

【雇用】
高度な知識・技術を持つICT技術者を1名以上配置すること

【継続性】
静岡県内で3年以上事業を継続する計画があること


なお、「高度ICT人材」を1名以上配置する場合、上記が3年間にわたって支援され、さらに人件費補助(最大200万円/年)も加わります。また、他の補助金では認められにくい「建物の基盤に関わる改修」も、この制度では幅広く認められます。

・サーバー用ラック、電気設備、インターネット配線工事
・給湯室の設置やトイレの改修(オフィス付随のもの)

ICT・サービス関連企業進出事業費等補助金


静岡県「企業立地関連の補助金」

県内立地工場等事業継続強化事業費補助金

静岡県内で長年事業を続けている工場などが、老朽化対策(建て替え)や脱炭素化、防災力強化のために行う設備投資を支援する制度です。

補助上限額原則 1億円
補助率10%以内
申請対象【対象施設】
県内に立地する工場、研究所、物流施設。

【投資規模(中小企業の場合)】
投資額 5,000万円以上(うち建物 2,000万円以上)

【主な目的(いずれかに該当)】
老朽化対策: 既存施設の建て替え(スクラップ&ビルド)
防災強化: 地震対策や浸水対策を伴う改修
環境対応: ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化など、高い省エネ性能を持つ建物の建設


「古くなった工場を建て替えるついでに、オフィス機能も最新鋭にしたい」というケースに最適です。一方、単なる事務室のレイアウト変更や、壁紙の張り替えのみや、生産や研究機能を持たない、独立した本社オフィスビルのみの建設などには適用できません。

・老朽化した工場の建て替えに伴う、事務棟・オフィススペースの建設・内装工事費
・断熱改修や省エネ空調の導入など、環境性能を高めるための改修

県内立地工場等事業継続強化事業費補助金


新規産業立地事業費補助金

静岡県内に工場や研究所などを新設・増設する際、その「建物」や「機械装置」への投資額に応じて支給される、規模の大きな補助金です。

補助上限額原則 10億円
(知事が特に認める場合は最大15億円)
補助率投資額(建物・機械装置)の 5% 〜 15%
※市町との協調補助が前提となります。
申請対象【対象施設】
工場、研究所、物流施設など。

【投資規模】
中核企業: 投資額 5億円以上(うち建物 2億円以上)
中小企業: 投資額 5,000万円以上(うち建物 2,000万円以上)

【雇用要件】 新規雇用または県内雇用の維持(要件は地域により異なる)


この補助金において「オフィス」が対象となるのは、工場や研究所に併設・附帯する事務スペースです。製造や研究の機能を持たない、単なる事務用オフィスのみの設置や、既存建物の維持補修や、小規模な模様替えは対象外です。

・工場・研究所を新築する際の、建物全体の建設・内装工事費
・施設と一体的に整備される事務室・応接室などの内装

新規産業立地事業費補助金


4. 静岡県内の市町村別・自治体独自制度

県内各市町村では、独自の産業振興や働き方改革を目的とした「地域限定」の支援制度が非常に充実しています。 国の補助金では届きにくい「少額の備品購入」や「特定のオフィス改修」を対象としているケースも多く、これらをうまく組み合わせることで、移転・改装コストをさらに賢く抑えることが可能です。主要な市町村の取り組みをピックアップしました。

藤枝市「オフィス等立地推進事業費補助金」

藤枝市内にオフィスを新設・増設・移転する企業に対し、初期費用から継続的な運営費用までを幅広く支援する制度です。

補助金額・内容

主な補助項目は以下の3点です。

オフィス開設費対象経費の 1/2(最大 100万円)1回限り
オフィス賃借料月額賃料の 1/2(最大 10万円/月)最大36ヶ月(計360万円)
通信回線使用料月額使用料の 1/2(最大 2万円/月)最大36ヶ月(計72万円)

主な申請要件

対象施設
市内の賃貸オフィス(サテライトオフィス、シェアオフィス、コワーキングスペース等)

対象業種
情報通信業、専門サービス業、広告業など

雇用要件
常時雇用する従業員が 2名以上(※うち1名は市内居住者、または新たに市内に転入する者であること)

オフィス改修等での活用ポイント

「オフィス開設費」として、内装工事などの初期投資が直接的な補助対象となります。

・内装工事費(間仕切り、床・壁の施工など)
・事務用什器(デスク、椅子など)の購入費
・通信環境整備費(LAN配線、サーバー設置など)

備考: 合計額が20万円(税抜)以上のものが対象となります。

藤枝市公式:藤枝市オフィス等立地推進事業費補助金


焼津市「働きやすい環境整備事業費補助金」

従業員のワーク・ライフ・バランス向上や、多様な人材が活躍できる環境整備(オフィス改修・設備導入)を支援する制度です。

補助金額・補助率

補助上限最大 50万円
補助率1/2以内

主な申請要件

対象
焼津市内に事業所を有する中小企業、個人事業主等

条件
以下のいずれかの認定・登録等を受けている(または交付決定までに受ける予定である)こと
 ・焼津市「仕事と生活の調和推進企業」
 ・静岡県「次世代育成支援企業(こうのとりカンパニー)」
 ・国の「えるぼし認定」「くるみん認定」など

オフィス改修等での活用ポイント

「働きやすさ」を向上させるための具体的な工事や備品購入が幅広く対象となります。

テレワーク環境の整備
Web会議用の個室ブース設置、通信環境(Wi-Fi等)の整備、サテライトオフィス等の利用料

女性活躍・子育て支援
誰でも使いやすいトイレへの改修、更衣室・休憩室・授乳スペースの設置

その他
育児・介護との両立に資する備品やソフトウェアの導入

焼津市働きやすい環境整備事業費補助金


静岡市「スタートアップ立地促進事業補助金」

静岡市では、市内へのスタートアップ企業等の集積・定着を促進するため、新たに市内で事業所を開設する企業を対象に、オフィスの賃借料などの一部を補助する制度「スタートアップ立地促進事業補助金」を設けています。

本制度は、内装工事費や什器購入費といった初期の改修費用そのものは補助対象外ですが、毎月発生する賃料負担を軽減することで、オフィス環境整備に予算を回しやすくなる点が特徴です。

補助金額・内容

補助上限額400万円(200万円×2年)
補助率対象経費の2/3
申請対象市内事業所の賃借料・施設利用料
※敷金・礼金・保険料・仲介手数料などは対象外

主な申請要件

・静岡市内に新たに事業所を賃借し、事業を開始する
・スタートアップ等として、市の認定を受ける
・市内で一定期間(3年以上)の事業継続計画を有している
・事業所に常時従業者(役員含む)が在籍している

オフィス改修等での活用ポイント

本補助金は、内装工事費を直接補助する制度ではありませんが、賃料補助によって固定費を抑えることで、以下のような間接的な効果が期待できます。

・月々のランニングコストを抑え、その分を内装・レイアウト・什器計画に充てやすくなる
・立ち上げ初期から、働きやすさや生産性を意識したオフィスづくりを検討しやすい
・国や県の補助金(内装・設備投資が対象となる制度)と役割分担で併用を検討できる

静岡市スタートアップ立地促進事業補助金


その他の市による補助金・助成金

浜松市「サテライトオフィス誘致事業」

IT・ベンチャー企業や、首都圏からのサテライトオフィス設置への支援が非常に手厚いのが特徴です。 市外企業が市内にサテライトオフィスを開設する場合、「賃借料」や「通信費」のほか、PC等の「備品購入費」も補助対象となる場合があります。そのほか、浜松市独自の認定制度(スタートアップ支援など)と連動した、多様なメニューが揃っています。

磐田市「オフィス立地推進事業費補助金」

事務系オフィス(IT関連、管理部門など)を市内に新設・増設する企業に対し、初期費用の半分を市が負担する非常に強力な制度です。上限が 1,000万円 と他の市町に比べて非常に高く、さらに「備品の購入」まで対象になります。商社としてオフィス家具まで含めたトータル提案をする際に活用しやすい制度といえます。

富士市「オフィス立地促進事業費補助金」

富士山の裾野を活かした広大な立地環境を背景に、オフィスや研究所の進出を支援しています。 賃貸オフィスへの入居や、空き店舗を活用した事業所開設に対し、「改装費」や「賃借料」を一部補助する制度があります。

沼津市「ITオフィス等進出事業費補助金」

沼津市内へ新たにIT関連事業所等を開設する企業に対し、初期費用を支援する制度です。ソフトウェア開発などのIT企業だけでなく、製造業の「設計・開発部門」や「DX推進部門」のオフィス新設も対象になる点が特色です。


5. まとめ

補助金・助成金を賢く活用することは、コストを抑えつつ「働く人の幸せ」と「企業の成長」を両立させる確かな一歩となります。

制度を味方につけて予算の不安を解消したら、次はいよいよ理想の空間づくりです。活用する補助金の趣旨に合わせ、生産性を高める最適なオフィスデザインを提案・施工いたします。静岡県内での「働きやすいオフィスづくり」は、ぜひバーチューにお任せください。

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