「コピー機」では終わらない!複合機が支えるDX時代の業務基盤

ペーパーレス化やクラウドサービスの普及により、「複合機はもう時代遅れなのでは?」と考える人も少なくありません。確かに紙の利用は減少傾向にあります。しかし実際のビジネス現場を見渡すと、契約書や請求書、配布資料など、依然として“紙”が欠かせない場面は多く存在します。

さらに複合機は、単なる「コピー機」から進化を遂げています。今やオフィスにおける“情報ハブ”として、デジタルと紙の双方を橋渡しする役割を担う存在です。DXが進む時代だからこそ、複合機の価値をあらためて捉え直す必要があります。


1. 複合機が果たす紙とデジタルの橋渡し役

現代の複合機は、従来の「印刷・コピー機」という枠組みを大きく超えています。紙とデジタルの情報を効率的につなぎ、業務全体を支えるインフラとして機能しているのです。

オフィスでは今も、アナログとデジタル両方の情報が混在しています。紙で届いた契約書をスキャンしてクラウド共有したり、逆にクラウド上のデータを印刷して現場で利用したりといった作業は、日常的に発生します。複合機はこの双方向の変換を担う「変換ステーション」として、業務フローを円滑にする重要な役割を果たしているのです。

役割機能内容
入口機能紙→デジタルOCR搭載スキャンで紙文書を検索可能データに変換、クラウド自動保存
出口機能デジタル→紙クラウドデータを高品質印刷、現場作業や配布資料として活用
セキュリティ拠点情報保護利用者認証・ログ管理・暗号化通信で機密情報を保護
業務ハブシステム連携クラウドサービス・ワークフローシステムと連携し情報流通を管理


2. DX時代における複合機の役割

DXの推進に伴い、複合機は従来の印刷・コピー機能を大きく超えた多様な業務支援機能を提供するようになりました。

2-1. 紙とデジタルを自在に変換する機能

最大の役割は「紙とデジタルの双方向変換機能」です。

紙資料をスキャンすればOCRで文字情報を抽出し、検索可能なPDFとしてクラウドに自動保存できます。逆に必要な場面ではデジタルデータを高品質な印刷物として出力し、プレゼン資料や顧客配布物として活用できます。

このように、アナログとデジタルの間を意識せず、最適な形で情報を活用できる環境を整えているのです。


2-2. 情報統制を支えるセキュリティ拠点

最新の複合機は、利用者認証や暗号化通信、ログ管理を標準搭載し、企業のセキュリティ戦略を担う装置へと進化しました。

従来の複合機は「誰でも使える共有機器」として位置づけられることが多く、セキュリティ面での配慮は限定的でした。それに対し、現代の複合機は、いまや情報の入口・出口を制御する“セキュリティゲートウェイ”です。紙からデジタル、デジタルから紙への変換プロセス全体において、誰が・いつ・どのように情報を扱ったかを記録し、個人情報保護やデータガバナンス強化に貢献しています。


2-3. 業務フローの自動化・多様化

従来の複合機は「印刷・コピーを待つ装置」でした。しかし今は、文書をスキャンした瞬間に後続業務を自動で動かす“トリガー装置”へと進化しています。

例えば注文書をスキャンすると、受注管理システムに自動登録 → 関連部署へ通知 → 承認フロー開始、と一連の業務が自動化する事ができます。さらに、Microsoft Teams や Google Workspace、Slack と連携すれば、外出先でも即共有・確認が可能。リモートワーク環境でも効率を維持できます。

つまり複合機は、DXを阻害する存在ではなく、デジタル変革を下支えする重要インフラなのです。


3. 最新複合機が実現する機能と活用例

3-1. FAXをクラウドに自動保存し即時通知

従来のFAXは「紙が出てくる→人が仕分ける→担当者に回す」という手間がつきものでした。しかし最新の複合機では、受信したFAXをそのままクラウドに自動保存し、担当者にメールなどで即通知できます。

出社しなくてもFAXを確認可能在宅勤務や外出先からでも対応でき、レスポンスが向上
仕分けや転送の手間を削減担当者へ自動振り分けされるため、人的作業やミスを防止
ペーパーレス化の推進紙を出さずに業務フローへ組み込み、無駄な印刷を削減

つまり、FAXというアナログのやり取りを、クラウドを起点としたデジタル業務フローに直結させる仕組みです。単なる省力化ではなく、情報共有のスピードと精度を高める仕組みとして、現代の複合機が果たす役割の一例といえるでしょう。


3-2. バーコードによるファイル名付与と自動振り分け

最新の複合機では、書類に印字されたバーコードやQRコードを読み取って、ファイル名の自動付与やフォルダへの自動振り分けが可能です。

手作業の負担を大幅に削減大量の書類でもスキャン後は自動で整理
人的ミスの防止誤ったフォルダやファイル名のばらつきを防ぐ
業務スピードの向上スキャンから保存までワンアクションで完了


具体的には、以下のような利用シーンが考えられます。

■製造業
納品書や検査報告書に印字された製品番号のバーコードで、自動的にプロジェクトや製品ごとのフォルダに保存

■物流・倉庫
入庫伝票のQRコードを読み取って、受領確認や在庫管理システムと連携

■会計・総務
請求書の取引先コードをもとに、自動で月次フォルダに振り分け

この機能により、紙資料の電子化プロセスを効率化しつつ、情報管理の精度とスピードを両立できます。


3-3. 多様な形状の紙をまとめてスキャン

最新の複合機の中には、ストレート給紙機構を搭載し、名刺や伝票、パスポートなどの不定形な形状の紙もスムーズに連続スキャンできるモデルがあります。これにより、従来の複合機ではスキャンが難しかった多様な書類も、一度にまとめてデジタル化することが可能です。

例えば、製造業の現場では、工程記録や品質検査報告書など、手書きの伝票やメモが頻繁に使用されます。これらを一枚ずつ手作業でスキャンする手間を省き、業務効率を大幅に向上させることができます。

また、名刺管理や契約書のデジタル化など、紙の情報を迅速に電子化し、検索性や共有性を高めることが求められるシーンでも、これらの機能が役立ちます。


4. 複合機は現代オフィスを支える業務基盤

DX化の進展により「複合機は不要」と見なされがちですが、実際にはデジタルとアナログを結びつける中核的存在として重要性を増しています。

契約書や申請書類など紙が必要な領域は残っており、複合機はそれを支える業務基盤です。加えてセキュリティや自動化機能により、情報統制と効率化を両立。

複合機の価値は「なくても業務はできる」ではなく、「あることで効率的かつ安全に業務を進められる」という点にあります。DX時代の複合機は、オフィスを支えるインフラとして欠かせない存在なのです。

弊社では、最新複合機の導入や業務フロー最適化に関するご相談を承っております。

「自社に最適な複合機の使い方を知りたい」「DX推進に役立てたい」といったご要望がありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

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